人が好きで「人のために生きている」町田君の世界を描いた作品。自分自身、人のために何か善を行うことはありますが時と場合によってやったりやらなかったりです。自己満足の時もあれば自己アピールの時もありますね。この作品の町田君にはそんな損得や自己修練なんて感情は一切ありません。ここまでできるようになれば素晴らしい。そんな彼の不思議な力にひかれていく女子高校生との恋愛に町田君が気付いていくさまが面白い。ただ、残念だったのはラストの風船で浮かんで彼女のところに行くまでの演出すべて。ここはリアルに車や電車や自転車で困難に立ち向かいながら向かっていってほしかった。それさえなければ秀逸の作品だったのに残念です。面白い作品です。
【作品情報】
別冊マーガレットに連載された
安藤ゆきの同名コミックを『舟を編む』の
石井裕也監督が映画化した青春ムービー。勉強も運動も苦手だけど、“人を愛する”才能に長けた少年が“人が大嫌い”なクラスメイトとの出会いを通して“わからない感情”と向き合う姿を描く。主人公の町田くんを演技経験ゼロの超新人、細田佳央太が演じる。
【あらすじ】
町田くん(細田佳央太)は運動も勉強も苦手で見た目も普通の高校生だが、彼には困った人のことは絶対に見過ごさず、接した人みんなの世界を変えてしまう不思議な力があった。そんな町田くんに突然ある出来事が訪れ、優しさに溢れていた町田くんの世界がひっくり返る……。